こんにちは。
その気になって探せば、世の中には本当に色々な武術や身体技法があるものです。
今回ご紹介するのは、遠いロシアの地で生まれた軍隊格闘術、『システマ』です。
『システマ』は、10世紀、激しい侵略に晒されていた広大なロシアの地で戦い抜いた、ロシア民族の勇者たちの闘法から生み出された武術です。システマはその実効性を見抜いた旧・ソビエト連邦に採用され、特殊部隊『スペツナズ』に受け継がれ、軍隊格闘術として発展。
そして大戦後、各地に普及していきました。
そして現在、この武術の秘められた可能性は注目を浴び、各地のカルチャーセンターで講座が開かれるほどの市民権を得ています(ちなみに人気講座の上位には必ずランクインするほどの盛況ぶり)。
僕はどこかで武術というものを東洋の専売特許のように考えていたのですが、『システマ』と出会ったことでそのイメージを大きく覆されることになりました。
一日体験して感じた範囲でも、とにかくこの武術は柔らかくて、そして繊細。
「呼吸」と「リラックス」をテーマにした緻密なドリル(訓練法)で、身体の隅々まで意識を満たし、可能性を探っていきます。もちろんこれは基本となるワークなのでしょうが、とにかく丁寧に、力を抜くことを求められます。
それもそのはず、『システマ』は「明日使える護身術」でも「筋力アップの方法」でもなく、自分自身と向き合い、神と対話する、ひじょーに内省的な武術なのです。
(実際、システマはロシア正教会と強く結びついています)
個人的に目からウロコだったのは、呼吸に対する考え方です。
参加者の一人から「呼吸は腹式呼吸のほうがいいのか」という質問が上がったのですが、講師の方の答えは「腹式を意識しすぎると余計な緊張が生じる。鼻から吸って口から吐く、これだけでいい」というものでした。
演劇界では漠然と腹式呼吸のほうがいいとされていますし、実際そのように教えられてきましたが、「腹式呼吸によって生じる緊張」について教えられたことは一度もありません。
これは驚きでした。
さて、しかしながら講座の最後は静かな練習から一変して、突然激しい「寝技、絞め技」の練習に。完全に油断していた僕は汗ダラッダラで家に帰るはめに・・・。
システマの「軍隊」の部分を最後の最後で思い知らされたのでした。
そんな未知なる格闘技『システマ』、あなたもいかがですか?
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